先日、数年ぶりに前の職場でお世話になっていた上司に会った時のこと。
酒でも飲みながら昔の話でもしようかと、とある居酒屋に入ったんですが、大食漢だっその上司がなぜかほとんど食べなくなっていました。
というのも、どうやら40代後半の頃に糖尿病を患ってしまったようで、現在週3で病院に通い医師の指導の下、日々の生活を改めているようです。
糖尿病は比較的もっと高齢な人がかかりやすいイメージがあったのと、疎遠になっていたとはいえ自分と縁のある人が、糖尿病になってしまった事に私はショックが隠し切れませんでした。
そんな私の様子を見かねてか、上司から糖尿病予防のためのアドバイスをいただきました。
今回は、上司が医師から受けている指導内容をもとに、糖尿病予防のために今から心がけておくと良いことをご紹介します。
そもそも糖尿病って?
人が生きていくために必要なブドウ糖。
小学校の理科の授業で聞いたことがあるかと思いますが、簡単に言うと、このブドウ糖が必要以上に多くなる病気が糖尿病です。
基本的に、食事をすると血液中のブドウ糖(血糖)は増えるものですが、健康な人と糖尿病を患っている人とでは、血糖の行方が大きく変わります。
というのも、健康な人の場合、ブドウ糖は血液中から体内に取り込まれるんですが、糖尿病を患っている人は、ブドウ糖が体内に取り込まれずに血液中に残ってしまうんです。
ブドウ糖が正常に処理されず血液中で増えすぎると、血糖値が上がっていくので血液がドロドロになってしまい、やがて血管を破壊していきます。
それにより引き起こされる病気は「糖尿病合併症」と呼ばれ、中でも三大合併症と呼ばれるのが以下の3つです。
・網膜症
目の網膜が傷つき最終的に失明する病気で、日本人の失明原因の第2位となっています。
・腎症
腎臓が傷つき最終的に腎不全になり、人工透析が必要なります。腎症が進行すると多くの生活制限が出てきてしまいます。
・神経障害
手足の感覚をつかさどる末梢神経にダメージが蓄積して、手足が痺れたり痛みの感覚が鈍くなったりします。
これら以外にも、脳梗塞や心筋梗塞など直接命にかかわる病気を引き起こすことがあるので、糖尿病がいかに恐ろしいものか分かると思います。
自己チェックをしてみよう
初期の糖尿病には自覚症状がほとんどないので、定期健診の結果以外では判断しづらいのが現状ですが、今の自分が糖尿病の症状に当てはまるかを知っておくと、ある程度、判断の目安になると思います。
以下の症状に自分が当てはまるかチェックしてみましょう。
・すぐのどが乾く
・排尿の回数が多い
・よく食べるのに体重が減っていく
・足がつったり、しびれたりする
・目がかすんだり、黒い点が見えたりする
・傷の治りが遅い
これらに当てはまったら、早めに医師に相談してみると良いでしょう。
普段からできる予防とは
なぜ糖尿病になってしまうかというと、遺伝的要因もありますが、食べ過ぎやお酒の飲みすぎ、運動不足、ストレスといった普段の生活習慣の乱れが主な原因となって起こります。
なので、これらの乱れた生活習慣を改善する、もしくは行わないようにするのが糖尿病予防に繋がります。
運動不足を解消しましょう、と言ってもなにもハードな運動をする必要はありません。
普段エスカレーターを使うところを階段にしてみたり、帰宅時に1駅手前で降りて歩いてみるなどといった程度で大丈夫です。
大事なのは、長く続けられるかです。
ストレスに関しては、生きていく以上ゼロにするのは難しいので、自分なりのストレス発散法を持っておきましょう。
趣味に没頭するもよし、マッサージや行楽地などで心と体をリフレッシュするもよし。
ストレスを溜め込みすぎずに、無理のない範囲で発散するようにしましょう。
食事のポイント
食べ過ぎや飲みすぎを改善しようとしても、急に普段の食生活を変えるというのはなかなか難しいもの。
なので、血糖値を上げないよう最低限おさえておきたい食事のポイントをいくつかご紹介します。
・間食を控えて、朝・昼・晩の食事をきちんと摂る
・外食するなら和食を摂る機会を増やす
・なるべくコーヒーや紅茶に砂糖を入れない
・揚げ物などの高カロリー食品を控える
・野菜やキノコ類などから食物繊維を積極的に摂る
これらに共通して言えるのは、カロリーに気を付けて3食バランス良く食べるという事です。
実は、糖尿病に良い食品、悪い食品というのはありません。
あくまで、カロリーコントロールをしっかりとできるよう日頃から心がけることが予防に繋がるんです。
ちなみに、お酒は糖質を含むビールより、糖質を含まないウィスキーやブランデーのような蒸留酒がおススメです。
近年のハイボール(ウィスキーを炭酸水で割ったもの)人気は、糖尿病を気にする人が以前よりも増えた影響があるかもしれませんね。
さいごに
糖尿病は、発症すると完治することはありません。
もし発症しても、食事療法や運動療法などを行えば健康な人と変わらない生活を送ることはできますが、症状が重くなると日常生活に制限がかかる場合があります。
また、初期の糖尿病では自覚症状がほとんどないため、隠れ糖尿病の人が多く存在するとも言われています。
なので、少しでも気になったら定期的に健康診断に行くようにしましょう。