突然ですが、正しい敬語を使えていますか?
敬語は本来、相手を尊重するための言葉ですが、使い方を間違えるとかえって失礼な印象を与えてしまうことにもなりかねません。
そこで、ビジネスシーンにおいて特に間違えやすい敬語を挙げてみたので、普段何気なく使っている表現が正しいものか確認してみましょう。
オフィスでよく使う敬語
◆ご苦労様です
「ご苦労様」は上司が部下に使う言葉、つまり目上から目下に対してかけるねぎらいの言葉です。
正しくは「お疲れ様です」です。
◆了解しました
了解には本来、上位の権限を持つ人が部下など目下の人に対して許可を与えるという意味があります。
なので、「承知いたしました」や「かしこまりました」を使いましょう。
◆ご一緒します
一緒という言葉は、相手と同列に並んで行くという語感があるので、自分と同格かそれ以下の人に対して使う言葉です。
なので、正しくは「お供いたします」になります。
◆どうしましょう
丁寧語にはなっていますが、尊敬の意味合いが含まれていない言い方です。
正しくは「いかが致しましょう」になります。
訪問・来客時によく使う敬語
◆お客様をお連れしました
「連れ」には「同伴者や仲間を引き連れる」という意味があるので、この言い方だとお客様を自分と同列にみなすことになってしまいます。
正しくは「お客様がお見えになりました」になります。
◆社長は明日、御社に伺うとおっしゃっています
自社の社長が相手先に行くシーンですが、「御社に伺う」まではOKです。
しかし、「おっしゃている」のは自社の社長に対しての尊敬の意味であり、相手先に対する尊敬ではありません。
なので、「社長は明日、御社に伺うと申しております」としましょう。
◆○○は本日お休みをいただいております
休みは自社からもらうものなので、この言い方は自社に対する敬意になってしまいます。
そのため、他社から見ると「自分の会社を持ち上げている」言い方になるので、「本日は休みを取っております」と言いましょう。
その他よく使う敬語
◆大変参考になりました
「参考」とは「考えるにあたって足しにする」という意味で、目上の人に対して使うと失礼になります。
なので、「勉強になりました」とするのが無難です。
◆とんでもございません
「とんでもない」はひとつの言葉なので、「ない」を「ございません」に置き換えることはできません。
正しくは「とんでもないことです」になります。
◆お名前をちょうだいできますか?
「ちょうだいする」は「もらう」の謙譲語です。
よく耳にする言い方ですが、名前はもらうものではないので間違いです。
「お名前をお聞かせいただけますか?」「お名前をうかがってもよろしいでしょうか?」と言うようにしましょう。
◆「御社」と「貴社」
どちらも相手方の会社に対する尊敬表現で間違いではありません。
ただ、「貴社」を口頭で伝える場合、「記者」や「汽車」など同じ読みで意味が違う言葉がいくつかあり紛らわしいので、「口頭の場合は御社」「書面などに記載する場合は貴社」と使い分けるようにしましょう。
さいごに
いかがでしたか。
他にも間違えやすい敬語はありますが、今回は代表的なものを挙げてみました。
日々、自分が使っている敬語をひとつひとつチェックするのは大変だと思うので、「敬意を伝えるべき人に、ちゃんと敬語のベクトルが向いているか」を判断基準にしてみてください。
上記でお伝えした「○○は本日休みをいただいております」の例のように、○○が休みをもらっているのは誰にもらっているのか、といったような点を常に意識すると、自然と正しい敬語が身に着くはずです。
どんなに仕事ができて人柄が良くても、正しい敬語を使えない人はビジネスシーンでは敬遠されてしまう傾向もあるので、少しでも不安がある人は見直してみるとよいでしょう。